新育苗ハウスを建てよう③
2021.11.29(20:03)
外の水溜りに氷が張るようになった。ひしひしと冬の訪れを感じざるを得ない今日この頃である。
2週間後には除雪が始まるだろう。

育苗ハウスの建設は進み、大枠が完成した。
これで育苗ハウスも4棟程になり、良いいちご苗を育てられる設備が整いつつある。
約1ヶ月前は家庭菜園、しかし景色は一変した。





育苗ハウスの1棟は水稲育苗といちご育苗との兼用となるので、ハウス内に砂を投入後、全面的な水平化をしてもらう。
年内には全部完成させたいな ~明日もボンボヤージュ~
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親苗を定植しよう
2021.11.24(22:31)
来シーズンの苗作りの要となる親苗。育苗の本格始動は来年の春先になるが、一旦節目であるプランターへの定植の時期を迎えた。

冬場の収穫がメインであるいちごの場合、育苗は少し特殊で、苗から苗を採苗するのが一般的。
簡略的に説明すると、夏に採苗した苗を秋にプランター等に定植し、越冬させた後春先~夏場にかけて1本の親苗からおよそ20~30本の子苗を増殖させる。
何とも非効率な作物だろう。
1年がかりで30倍にしか増殖させられない。
いちごの育苗はロングタームであり、尚且つ手間隙がかかる。

いちごの親苗は非常に重要で、種苗会社の厳格な管理によって育てられた無病の苗を親苗とする事が最も病害中リスクが低い。
ウイルス病とか菌とか伝染してしまうので。(その分コストはかかる)
その為、毎年新しい親苗は必ず必要になる。

しかし全ての親苗を種苗会社から購入していては農家として当然苦しいので、昨年から先輩農家さんを真似して自家育苗による親苗生産に挑戦している。
そもそも全ての親苗を購入するいちご農家は稀で、大抵自家育苗しているらしい。(栽培技術の差ですね)

自家育苗だが、今年の8月のお盆過ぎに昨年購入した無病の親苗から翌年の親苗を採苗していた。
それから約3ヶ月。
毎日の水管理と病害中管理を経て、ようやく定植の時期を迎えた。
長かったです。

しかし、ここで大問題が発生。
"炭疽病"に感染している疑いのある苗を見つけてしまった。
今作の育苗で大いに苦しめられたいちご栽培の大病だ。
親苗が炭疽病に感染していた場合、子苗ほぼ全てに感染してしまう。
最悪の場合、育苗の"詰め"である来年の8月に育苗ハウス内全ての子苗が枯れる可能性が一気に浮上した。
どんなに素晴らしく育苗ハウスをリニューアルしても、苗自体が病気を持ち込んでしまったら元も子もないのである。
将棋で例えると最初から"歩"が半マスしか進めない。
もしくは最初から"飛車角落ち"のようなもの。
不覚ながら判断に迷いが生じた為、先輩農家さんに即刻電話で相談すると…
「自家育苗の親苗は全部捨てた方が良い。」
との事。。。


先輩を信じて全ての苗を廃棄した。1000本育てていたのだが…
それでも今作の育苗で廃棄した苗数の1/4にも満たない。
いちご栽培が投資型農業である施設園芸である事を考えると、このような損切り場面は覚悟していたが、どうしてもサンクコストを思い浮かべて堪える…少し寝込んでしまいそうだ。未練が残る。
ただ、来年の夏に同じ思いをするのならば、捨ててしまってクリーンな精神状態でいた方が今後半年間安心して眠れるもの。
その分で挽回したらいいじゃないか。
そう、ポジティブに考えるようにしたい。

残り約500本の購入苗は週末に到着する。
来年は良い親苗を作りたい ~明日もボンボヤージュ~
新育苗ハウスを建てよう②
2021.11.22(21:04)
数日前からビニールハウス施工業者の職人の方々に新しい育苗ハウスを建ててもらっている。
このようなパイプ製のビニールハウスなら、農家が自主施工で建設するケースは多い。
今や、建設に関する本も探せば見つかるだろうし、今ならではのYouTubeにも施工方法を説明してくれている動画もあるだろう。
しかし私どもでは、如何せん施工スキルが乏しいので今回もプロの職人さんに建ててもらっている。
無論、施工スピードはむちゃくちゃ早い。

ちなみにこの育苗ハウスが建設されている圃場は、今まで祖母が張り切って大規模な家庭菜園をしていた圃場。
曽祖父の代となる約100年前は稲作、祖父母の代となる40年前からは露地きゅうり、そして家庭菜園の畑を経て当園いちご栽培の育苗ハウスへと姿を変えている。
余談だが、約15年前の私が中学生くらいの話だ。
父がヤフオクで購入したスノーモービルで兄弟や同級生と走っていた農地は、少しづついちご栽培の農地へと変わっている。
当時、スノーモービルの燃料となるガソリンが高いから(自分で購入した訳ではない)という名目で5~6人の同級生から金銭を受け取り、レンタル業的な事をした気がする。
スノーモービルによってもたらされた利益で、オンラインゲームのウェブマネーを買っていたのはココだけの話。
お陰で15年程連絡がない。
皆さんは、ガソリンが高いからという崩壊理論的な理由付けをする事や、私利私欲によって友人を失ったりしないように切に願っている。

歴史ある圃場に感謝だ ~明日もボンボヤージュ~
親株プランターの土作りをしよう
2021.11.19(18:37)
今年もやってきた親株プランターの土作り。全部で274個のプランターに、土と肥料と堆肥を混ぜ、育苗ハウスに設置していく。
父と祖母と弟のフルパワーな活躍があって1日で詰め終えた。ありがとう。


メインとなるプランターの土には、山の土を使っている。
いちご栽培が上手い農家さんに教えてもらった堆肥や肥料の配合は同じだ。
これで90%うまくいく。


育苗ハウスに運び込むのが重いのなんの…

来週には親苗の定植だ。
土系仕事は普段の3倍体にくるね ~明日もボンボヤージュ~
育苗ハウスをリニューアルしよう
2021.11.17(18:50)
いちごの育苗において、非常に脅威である怖い病気がある。炭疽病だ。
一本の苗から、育苗ハウス内のほぼ全ての苗に感染を広げてしまう病気。最悪は全ての苗を枯らしてしまう可能性もある大病だ。
炭疽病は菌でできていて、気温28℃以上と高い湿度によって、より大量の胞子を飛散させる。
菌なので要するにカビみたいなもの。
その為、育苗ハウス内は涼しくて風通しが良く、乾燥した環境が望ましい。
しかし夏場の育苗ハウスでは、毎日2,000リットル近くの水をいちごの苗に与えている。
要となるのは育苗ハウス内の排水性だが、
ここ2、3年、育苗ハウス内の排水が上手くいかず、改善する必要があった。
今年初めて(とうとう?)炭疽病に苦しまされた事もあり、育苗ハウス内の特に排水性を改善する為にリニューアル工事をした。
一つ目の育苗ハウスは、考えた末に暗渠排水で排水する事にした。

【黒いメッシュ状になっているものが暗渠パイプ】
育苗棚の真下に排水パイプを埋め込んで地中から排水する。

排水性の高いモミガラと一緒に埋めてある。
床に落ちた水が浸透していき、最後には暗渠パイプを通って育苗ハウス外に流れるという流れだ。

防草の為に黒いマルチを張り、通路には歩きやすい様にベニヤ板を置く。

最後に新品の防草シートを張る。(防草シートという名称だが黒いマルチなしだと草が生える)

最後に育苗棚を運び込んで設置。


【※運転中のスマホはやめましょう】

二つ目の育苗ハウスは、排水溝の手直しをしてマルチとシートは新品に。







病気に対してはどこまで神経質になるかで、最も病気にかかりにくい設備は、全面コンクリート&靴の消毒設備が必要だそう。(1ハウス工事費500万円)
今回の工事で5年は保ってくれるだろう。
綺麗な環境に病気は寄ってこない!はず! ~明日もボンボヤージュ~
新育苗ハウスを建てよう
2021.11.15(18:20)
いちご作りに欠かせない苗作り。いちごの実がない夏場の期間は、育苗ハウス内で苗作りを中心に作業している。
本圃ハウスが城だとするならば、育苗ハウスは砦のような存在だと思っている。
その"砦"を新しく増設する為の準備を進めている。

増設場所は、我が家の家庭菜園として使っていた所。
色々と植えてあった。柿、キウイ、ラフランス、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリーなど…
20年前に米の育苗の為に建てた小さいパイプハウスもあったのだが、全て撤去した。

次に、バックホーを借りて木の株を掘り起こして更地に。


2日がかりで整地まで完了。
慣れない土木仕事はもの凄ーく体力を使う。
今月末には完成予定 ~明日もボンボヤージュ~